10人の下院議員が一同に勢ぞろいイベント

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10人の下院議員が一同に勢ぞろいイベント

Feb 28, 2013 1 min read
COMMENTARY BY

Former Senior Visiting Fellow, Japan

Kumi is a former Senior Visiting Fellow.

2月27日、お昼の時間、10人の下院議員が下院の議員会館にあたるRayburnビルの会議室に勢ぞろいして、1時間、質問に答えるというメール招待状を、受け取った。

そこで、すぐに、出席の返事をした。

案内を読むと、ヘリテージ財団が主催する、保守系議員との対話という毎月行われるイベントだ。

 出席した会員議員は、Tim Huelskamp (カンザス)、Raúl Labrador (アイダホ)、 Jim Jordan (オハイオ)、Mick Mulvaney (サウス・キャロライナ)、Jeff Duncan (サウス・キャロライナ)、Justin Amash (ミシガン)、David Schweikert (アリゾナ)、Steve King (アイオア)、Matt Salmon (アリゾナ)、 Mark Meadows (ノース・キャロライナ)だ 。    

 昨年の11月に初めて当選した議員から2000年初期から下院議員をつとめるベテランまで広い顔ぶれが集まっている。

 会場は、4台のテレビカメラが構え満員である。チキンバーガーとサラダそしてソフトドリンクが用意されているが、とりにいけないほど混んでいる。

 イベントは、議員のスピーチもなく、最初から質問を受ける形で始まった。質問は、事前に用意されたわけでもないので、緊張した雰囲気が漂っている。

 参加者もAP、LAタイムス、NPR、クリスチャン・サイエンス・モニターなどの大手メディアからブロガーまで幅広い。

 もっとも多かった質問は、今週の金曜日、つまり3月1日から予定されている政府予算の自動削減についてだった。最初の質問は、「あなたの選挙区の人々は、予算の自動削減をどう考えていますか」だった。

 10人の下院議員は言葉は違えどもほぼ同じ意見だった。選挙区から、自動削減についての意見はほとんど聞かれない、という。彼らは、選挙区の人々は自動削減を恐れておらず、オバマ大統領の自動削減は怖いとする宣伝戦略は、彼らの選挙区では成功していない、という。彼らは、予算の削減は具体的でしかも軍事費だけにとどまらないが、まったく削減しないよりは、自動削減のほうが良い、と考えている、と語っていた。

 その後で、移民に関する質問が続いた。ヒスパニックの移民が日に日に増える今日、移民法の包括的改正は超党派の合意事項である。だが、立場は大きく異なっている。オバマ大統領が市民権をとりやすくする政策をとっているが、共和党は、1200万人の不法移民に安易に市民権を与えることは予算を逼迫させるだけではなく、正当に移民手続きを行っている人やビザの期限のためアメリカに残りたいのに残れずに帰るアメリカの大学を卒業した人たちに不公平だと考えている。

  Labrador議員は、「現在、不法移民の49%は、しっかりとしたビザでアメリカに入国しているが、ビザを延長できなかった人たちだ。彼らに、合法的労働プログラムを作り、その上で通常の方法で市民権を獲得すればよい。オバマ大統領がやろうとする特別扱いは必要はない」、と発言した。

 メキシコとの国境をもつアリゾナ州選出のSalmon議員は、国境の町ツーソンでは、昨年だけで12万人の不法移民が逮捕され、その数字の2倍の不法移民がいると見られている、と語った。 

 さらに、国境を接する国は、銃規制にも関心が高いという。

 国境では、銃をメキシコに流し、その流れで麻薬に関するグループを逮捕するといった映画顔負けのおとり捜査が行われている。

 共和党は、憲法修正第二条項が規定する銃の権利は強く擁護するが、メンタルに問題がある人が銃を持つことに関する規制の強化には賛成する、と付け加えていた。

 議員の話には、その選挙区の独特の生の声を聞くことができる。日本にもこういう機会があれば良いのに、と思った。加えて、通常、1年生や2年生議員が大手メディアからの自由質問にさらされることはないので、議員にとっても真剣勝負Q and Aの練習になるのではないかと思った。

  

キャピトルの丘

 先週金曜日の安倍首相のオバマ大統領との会談は、ワシントンDCでは好意的に受け止められている。

 ワシントンポストは、両者の会談の前に、論説委員を東京にまで送るほど安倍首相の訪米はニュース価値があると会談前からアメリカでも受け止められていた。

 先日、お知らせしたように、私が書いたOp-edもNational Reviewに取り上げられたことは、日本への関心の高さの表れである。

 会談後に、安倍首相はシンクタンクで講演を行ったが「I am back, Japan is back」と人気映画「ターミーネーター」の台詞をもじり、会場を大いに沸かせていた。その表情には、会談を成功させた自信が溢れているようだった。

 ワシントンDCの日本人グループも精一杯盛り上げていた。ホテルで行われた招待オンリーのレセプションでは、安倍首相を先頭に日本人もアメリカ人も誰もが快活だった。

 オバマ大統領になってから安倍首相は5人目の首相になる。まだオバマ大統領は完全に安倍首相を信頼したわけではないとした新聞記事もあったが、とにかく、最近の日本のイメージはワシントンではすこぶる良い。

 日本についてのアメリカ・マスコミの一番の関心は日本の経済についてである。共同声明もTPPについてであったし、新聞も日銀総裁の人事を詳しく記事にしている。

 先日、日本人の勉強会で「アベノミックス」は誰が命名したのか、が話題になった。

 誰も知らなかった。

 そこで、アシスタントのラリーに、アメリカの新聞は当然、世界の英字新聞の過去の記事が蓄積されている巨大データベース、レクシス・ネクシスでもっとも古い「アベノミックス」を調べてもらった。

 結果は、2006年11月6日のThe Nekkei Weeklyに自民党の中川秀直官房長官が「アベノミックス」という単語を使ったと出てきたという。

 アベノミックスは第一次安倍政権で生まれていたようだ。

 この選挙後では、2012年12月22日「エコノミスト」の記事に、そしてニューヨークタイムスが12月25日の記事でアベノミックスを使っていた。

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